特徴のある茶色の土塀、陰陽を型どったタイル、木製の柵、さらには大きな水甕が、ボーダ寺にいにしえの雰囲気を与えている。この寺の優れた特徴として、ベトナムのもっとも古い仏教の書物が黒檀の木版に彫刻され保存されていることである。これらは、何百年にわたってなんら保存措置をすることなく今日まで伝えられてきたのである
特徴のある茶色の土塀、陰陽を型どったタイル、木製の柵、さらには大きな水甕が、ボーダ寺にいにしえの雰囲気を与えている。この寺の優れた特徴として、ベトナムのもっとも古い仏教の書物が黒檀の木版に彫刻され保存されていることである。これらは、何百年にわたってなんら保存措置をすることなく今日まで伝えられてきたのである
ボーダ寺は、11世紀、ベトナムにおける仏教の黄金期である李朝の期間に建造された。何世紀にもわたる幾多の戦火を潜り抜け、また、その間、幾度となく補修修繕を経て、阮朝（ベトナム封建期最後の王朝）の建設様式を今日に伝えている。
複合的な建物は、100近い古くからの区画によって構成されている。それらは、つながりあい、漢字の国（國）という字の形に似た姿を形作っている。こうしたことから、区画は、外からは、閉ざされたように見え、一旦寺に入った訪問者は、おそらく、回廊と寺の部屋とがつくりなす迷路に方向を見失ってしまったような感覚を抱くに違いない。
聖堂や寺の外にある丘陵に沿った２つのアーチを備えたタワーガーデンは、そこを訪れた訪問者が思わず祈りを捧げたくなるような神聖な雰囲気に満たされている。
97の塔を備えたタワーガーデンは、ベトナムでは最も規模が大きいことで有名である。内部には、ラム・テ宗派（ベトナムにおける臨済系禅宗の一派）の僧や尼たちの火葬に付された 1,214柱の遺灰が納められている。すべての塔は、石と硬いレンガで作られ石灰と糖蜜、木製パルプのコーティングで覆われ、僧や尼の誕生日と命日が刻まれている。
ボーダ寺は、また、18世紀から伝わる2,000を超える経典の木版も保存している。軽く、曲げやすく耐久性にも優れている“thi”（カバイロクロガキ）の木に刻まれた木版は、特別な保存措置をすることなく風雪に耐え今日まで保存されてきた。これらの貴重な木版は、今日では寺の図書館に注意深く保護保存されており、求めに応じ僧の許可が得られた場合のみ公開されている。
旧暦の2月16日から17日、ボーダ寺と地方政府は共同してバクザン、ヴィエットイェン地区ティエンソンの祭礼を催している。このお祭では、祈祷、民謡、観光客への案内や説明が行われ、何千人もの僧や信者、観光客が集まってくる。
